昨年購入したM1 MacBook Airは最小容量の256GBのモデルを選びました。今のところ動画編集をする予定はないので内臓SSDはそれほど必要としていませんが、旅行時などのデータ保管やデバイス間の共有用として気軽に持ち運べる大きめのストレージが欲しかったのでORICOのUSB-C SSDケースを試しました。
外部ストレージ選び
予算と容量
M1 MacBook Airは内蔵SSDの容量を最小の256GBから増設すると、以下のような価格設定になっています。1TBへ増設すると4マン追加ですか、うーん高い!
512GB SSDストレージ | +20,000 (税別) |
1TB SSDストレージ | +40,000 (税別) |
2TB SSDストレージ | +80,000 (税別) |
今回の外付けSSDの予算としては、内臓SSDを+256GB増やす予算で使い回しできる1TB、ということで20,000円で1TBの容量としました。
ちなみに、人は複数の選択肢を用意されると真ん中を選ぶ傾向があるそうです。松竹梅の法則とか、ゴルディロックス効果と呼ばれるそうです。本当に必要な人は1TBとか2TBを選ぶべきと思いますが、マーケティングに乗せられて必要以上に高い買い物しないようにしましょう。
候補だったSSD
当初候補としていたポータブルSSDはSamsungのT7というモデルで、ちょうど2万円くらいで1TBの容量を買うことができます。USB3.1 Gen2の理論値の10Gbpsに近い1,050MB/sという高速転送できるというのが特徴になっています。
購入したSSDとケース
ネットで外付けSSDについて調べていると、デスクトップPCで使われるM.2規格のSSDをUSB type-Cで接続できるようにするケースが販売されていることがわかりました。そこで、せっかくなのでSSDケースとM.2 SSDを組み合わせて外付けSSDを構築しました。
選んだSSDケースはAmazonの口コミの評価が良さそうだったORICOのPCM2-GYと、Crucialの1TB SSDです。ORICO PCM2はUSB3.1 Gen2サポートで、さらにM1 MacBook Airは上位規格のUSB4対応なので速度は期待できます。
購入時の価格は、SSDケース ¥3,699 + SSD本体 ¥11,980 = ¥15,679と予算内に収まります。さらにCrucialのSSDは楽天市場のセールと合わせることで20%以上のポイントがもらえました。楽天経済圏やばすぎです。
ORICO USB-C NVME M.2 SSDケースのレビュー
外観とSSDの取り付け
ORICOのPCM2-GYの外観はこちらの通りです。
色はグレーを購入しました。背景のApple スペースグレーと比べると少し青っぽい色になります。
ケースはアルミ製でエッジは加工されていて安っぽさはありません。
SSDは付属のドライバー1本で取り付けることができます。
こちらはケースに戻した後の写真ですが、取り付けは基盤を取り出しておこないます。
ケースのサイズはSSD本体の22*80mmを少し大きくした程度と非常にコンパクトです。
ちなみにCrucialの組み立てはメキシコなんですね。フラッシュメモリの生産はどこでしょうか、Micronに買収された旧エルピーダの工場なら国産の可能性もありますが、もうないかな?
基盤の裏面にコントローラーチップがあります。コントローラーはJMS583と印字されています。JMS583はJMicronという台湾のファブレスメーカーのチップのようです。メモリのMicronと名前は似ていますが関係ないようです。
ネットで探す限り、他のSSDケースもこのチップが採用されているようで、MVNe M.2 SSDとUSB3.1のブリッジICとしてはメジャーな製品のようです。
ベンチマーク結果
M1 MacBook AirとUSB type-C接続
さて、M1 MacBook Airと本SSDケースをUSB type-Cで接続した時のBlackMagic DiskSpeed Testのベンチマーク結果はこちらの通りです。
あれ?思ったより遅い。
ORICO M.2 SSDケースはUSB3.1 Gen2 対応で、Amazonの口コミでは読み書きともに900MB/sは出るはずの製品です。また、Crucial P2 SSD 1TBは仕様では書き込み2,400MB/s, 読み出し1,800MB/sとなっていましたので、最低900MB/sは期待していたのですが。。。
Windows PCとUSB type-A接続
家のメイン機であるWindows PCでもCrystalDiskMarkでベンチマークしました。
比較としてSATA接続の2.5′ SSDの結果が右2つになります。
Windows機はUSB3.1 Gen1サポートで、500MB/sが理論値上限になります。
読み書きともにGen1としては十分速度が出ています。書き込み速度は条件によっては内臓SSDよりも高速に書き込みできています。
ファイルの転送時間
実際に1.9GBの動画ファイルを転送した時の時間はこちらの通りでした。
機種 (接続方法) | 書き込み時間 | 読み出し時間 |
M1 MacBook Air (type-C接続) | 約4.2秒 | 約4.4秒 |
Windows PC (type-A接続) | 約6.5秒 | 約6.1秒 |
iPad Pro 2018 (type-C接続) | 約22秒 | 約7.6秒 |
M1 Mac、Windows機ともにベンチマークに近い転送時間でした。
iPadは相変わらず少し遅いんですよね。
やっぱりM1 MacはUSBが遅い
USBの転送速度についてはITmediaさんのレビューでも同様の結果が出ていました。
M1のApple T8103USBXHCIコントローラーと、Intel MacのApple USBXHCIARコントローラーの場合、Apple USBXHCIARコントローラーの方が約1.7倍速いという結果だった。
引用:ITmeda “M1 Mac、外部SSDはUSB 3.2 Gen 2よりTB3のベンチマーク結果”
また、USB接続のSamsung T7についてもM1 Macでは遅いという口コミが出ていました。
When I connect to my new MacBook Air with M1 Chip, which has USB 3.2 Gen 2 ports (T7 is advertised as having a USB 3.2 Gen 2 interface), I’m getting read and writ speeds of around 650-700MB/s. Consistently slower than what I get when connected to the MacBook Pro.
引用:Samsung Community “T7 SSD Not Full speed with M1 Mac”
M1 チップのUSBコントローラーが悪いのか、MacOSのUSBドライバがまだチューンナップ不足なのか分かりませんが、Macで転送速度を優先したい場合はThunderbolt 3に対応したSSDを使うのが良さそうです。
ちなみに、ORICOのThunderbolt 3ケースはこちら。
お値段がSSD本体より高くなってしまうのでちょっと手は出せないですね。
まとめ
M1 MacBookの外部ストレージとしてORICOのSSDケースを試してみました。NVMe転送のSSDとしては少し物足りない結果でしたが、外付けSSDとしては十分な性能と思います。
今のところM1 MacのUSBは性能が十分出ていないようですが、今後のドライバアップデートの期待か、USB4接続のSSDで性能が出てくれるのならまた試してみたいと思います。
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