菅ちゃん政権の目玉政策であった通信料金の値下げ要請に応じるため、ドコモのahamoから始まった新料金プランが、大手3社とそのサブブランド2社、そして新規参入組の楽天モバイルまで出揃いましたので簡単にまとめました。
各社の新プラン比較
各社の新プラン名と開始時期はこちらのリンク先を参照しました。
- 楽天モバイル
RAKUTEN UN-LIMIT VI 21年4月開始 - docomo
ahamo 21年3月開始 - au
povo 21年3月開始 - UQ mobile
くりこしプラン 21年2月開始 - softbank
SoftBank on LINE 21年3月開始 - Y!mobile
シンプル 21年2月開始
データ通信
まず、主戦場のデータ通信量の比較です。
〜1GB | 〜3GB | 〜10GB | 〜15GB | 〜20GB | 〜25GB | 〜無制限 | |
楽天モバイル | 0円 (980円) | 980円 | 1,980円 | 2,980円 | |||
docomo | 2,980円 | ー | |||||
au | 2,480円 | ー | |||||
UQ mobile | 1,480円 (S) | 2,480円 (M) | 3,480円 (L) | ー | |||
softbank | 2,980円 | ー | |||||
Y!mobile | 1,980円 (S) | 2,980円 (M) | 3,780円 (L) | ー |
単純に使用量だけで比べると、小容量(10GB未満)は楽天モバイルが最安になります。
中間(10GB〜20GB)はauが最安。
そして、大容量(20GB以上)で再び楽天モバイルが最安です。
これまで大手3社を含めて20GBで3,000円というラインで競っていましたが、今回の楽天モバイルは3GB以下で1,000円という新たな領域を攻め始めました。そして1GB未満で0円という意味不明な価格設定になっています。もはや消耗戦ですね。
サブブランドのUQ mobileやY!mobileは、3GB未満の最小プラン以外はauやsoftbankに対してメリットがなくなってしまいました。メインブランドが残ればいいって感じでしょうか。
音声通話
音声通話の料金設定は次の通りです。
基本料金 | 通話無料条件 | |
楽天モバイル | 30秒20円 |
専用アプリで通話無料
|
docomo | 30秒20円 |
5分以内国内通話無料
|
AU | 30秒20円 |
オプション(500円)で5分以内国内通話無料
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UQ mobile | 30秒20円 |
オプション(700円)で10分以内国内通話無料
|
softbank | 30秒20円 |
5分以内国内通話無料
|
Y!mobile | 30秒20円 |
オプション(700円)で10分以内国内通話無料
|
電話をかける機会が多い人は気になるかもしれませんが、最近はIP通話(LINE通話やSkype、Zoom)を使う機会が多いのでそこまで注力は必要無いのではないでしょうか?
auのような必要な人はオプション追加は良い仕組みだと思います。
各種手数料
その他、各種手数料は次の通りです。こちらはまだ詳細が不明なところが多いです。
契約手数料 | NMP転出 | 解約手数料 | SIM再発行 | eSIM発行 | |
楽天モバイル | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
docomo | ? | 4/1から0円 | ? | ? | ? |
au | ? | 春から0円 | ? | ? | ? |
UQ mobile | 3000円 | 春から0円 | 0円 | ? | ? |
softbank | ? | 4/1から0円 | ? | ? | ? |
Y!mobile | 3000円 | 4/1から0円 | ? | 3000円 | ? |
春からNMP手数料が各社0円になるそうですが、怒られて初めて手を付けるのはイケてないですね。楽天モバイルは色々頑張っています。
菅製値下げは良いこと?
ICT総研のレポート
日本の携帯料金は高すぎるのか?という疑問に対してICT総研がレポートを出しています。
~ 日本のスマートフォンの料金水準は中位レベル、通信品質は上位レベル ~
(1) スマートフォン料金の海外比較
― 日本の料金水準は、中位レベル。欧州より高く、米国・韓国より安い水準。
(2) 通信品質の海外比較
― 日本の通信品質は、上位レベル
― 日本の4G接続率は、98.5%。調査対象6カ国の中で最も高い。
― 日本のダウンロード通信速度は、49.3Mbps。調査対象6カ国の中で2番目に速い。
(3) 日本のスマートフォンユーザー向けのWebアンケート
― サービスエリアや通信速度に対するユーザーの満足度が料金面と比して高い。
出典:ICT総研「2020年 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」
数字を抜き出すと、
- 料金は欧州が3,000円前後、日米韓は5,000円〜8,000円の範囲。
- 4G接続率は欧州が85%前後、日米韓は95%以上。
- 速度は欧州と米が30Mbps未満、日韓が50Mbps以上。
ということで日本は品質に対して料金は相応な感じです。
欧州が料金が安いけど品質がイマイチなのを見ると、結局はコストとクオリティはトレードオフということですね。
これからどうなる?
今回の新プランで携帯会社の収益に多少なりとも影響が出ることは間違いありません。どれくらいの影響になるかは、現在の高いプランを契約している人がどれくらい切り替えることができるか次第です。
大手3社は4Gインフラは構築済みですが、5Gインフラはまだまだこれからです。収益次第では日本の5G普及に影響が出てくるかもしれないですね。
また、一番影響が大きいのが格安Sim各社。大手の料金が十分安くなってしまうので、リスクを取って格安Simにする人が減ってしまいそうです。
まとめ
今回の楽天モバイルのプランが出るまではUQかauの新プランが良いかと思っていましたが、まさかの小容量(〜10GB)で攻めてきました。個人的にも在宅勤務中心の今の働き方では10GBも使う機会はほぼ無いため、この新しいプランは大変魅力的です。
楽天モバイルが今回の新プランを持続して収益を確保できるのかは分かりませんが、お得に使えるうちは活用したいと思います。
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